輝く海で生まれるサンゴ礁
        上昇する大地
          人はその恩恵を育む
              「10万年の奇跡」
                  喜界島ジオパーク(構想)

STORY

輝く海で生まれるサンゴ礁
        上昇する大地
          人はその恩恵を育む
              「10万年の奇跡」
                  喜界島ジオパーク(構想)

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隆起し続ける島

その昔、海の中で砂や泥が海底に降り積もり、砂と泥のしましまの地層ができました。その地層は、地球内部の力で海面に向かって上へ上へと持ち上げられていきました。そこの海底は浅くなり、サンゴなどの生き物達が増えてサンゴ礁ができました。さらに持ち上がる力によって海面よりも高くなったサンゴ礁は陸(大地)となり、およそ10万年前、喜界島が誕生したのです。
喜界島は、その後も周りに育ったサンゴ礁を乗せ、さらに上昇していきました。その間に地球は氷河期と暖かい時期を繰り返していて、その度に上下した海面により生まれた周りのサンゴ礁とともに、さらに上へ上へと持ち上がり、やがて階段のような「段丘」という地形ができあがりました。今でも喜界島は、1年に平均2㎜上昇しています。
また、海の中から持ち上げられたサンゴ礁は、石灰岩という水を通しやすい岩でできています。島には大きな川がありませんが、地下水が豊富で多くの湧き水をもたらしています。これらの大地の動きと水の恵みは、喜界島ならではの自然や文化を生み出しました。まさに奇跡の島です。

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大地と人を育む海

島を取り巻く海には、豊かなサンゴ礁の世界が広がっています。喜界島には400年以上生きるサンゴや、色とりどりのサンゴ達が元気よく生きています。このサンゴ達は、成長と共につくりだす石灰岩を積み重ね、やがてサンゴ礁となります。そのサンゴ礁は、地面が上昇する隆起の力によって、だんだんと海面より高くなり、階段状の段丘をつくるのです。喜界島の大地、隆起サンゴ礁段丘は、海に生きていたサンゴ達によって作られているのです。今も喜界島の海にはサンゴ達と共に、たくさんの魚や貝などの生き物たちが生きています。この豊かな生き物たちは、喜界島の人々に豊かな恵みをもたらしています。喜界島のサンゴ礁の海は、過去から現在まで、大地と人を育む源になっています

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島と共に生きる

喜界島は、サンゴ礁が持ち上がってできました。そのため、平らな場所が多く、島の人はサトウキビ畑として利用しています。サンゴがつくりだした石灰分を含む土壌はミネラルが多く、美味しい農作物や日本一の生産量っを誇るゴマが育ちます。
このような人と自然が結びついた豊かな段丘上には、縄文時代から人々が生活をしていました。今は見えないけれども、私たちが生活の痕跡が遺跡として残されています。また、喜界島の人たちは、昔からサンゴの骨を石材として活用してきました。今でも島にはサンゴの石でできた墓石や、石垣がたくさん残されています。喜界島では、このようにサンゴ礁生態系と人の繋がりが色濃く残る独自の「サンゴ礁文化」が育まれてきたのです。

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